棒の植物ブログ Ⅱ

熱帯植物と趣味のブログ

台湾旅行 植物検疫攻略編

前回の続きです。


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迷った末、結局購入したのはたったの二株。タイの園芸ルートから来たレカノプテリスと、インドネシアで漢方の原料として採集されたミルメコディアです。
両方共内部に蟻を共生させるアリ植物の仲間で、ミルメコディアの山採りの大株は活着させるのがかなり難しいためリスクは大きいのですが、この株は実がいくつも付いているので、本体が枯れても実生で何株かは確保出来るはずです。

外国から植物を持って帰るには検疫を通す必要があります。以前は日本に入国する時にだけ検疫を受ける必要があったのですが、去年から輸出国側の検査証明書がないと日本に持ち込めないことになったようです。
つまりこの場合、台湾と日本で二回検疫を受ける必要があります。合格するか心配ですね^^;

検疫に合格するためにはまず、その植物が日本に持ち込み可能な植物か調べる必要があります。が、基本的にブラックリスト方式なのでマニアックな植物ならたいてい問題無さそうです。(逆に旅行者が持ち込む可能性の高い果物なんかは異常な程厳しくて殆ど禁止です)ただし、蘭やネペンはCITESがあるので持ち込みは難しそうです。

次に土がついてるといけないので土を落とします。レカノプテリスが古くなってドロドロした水苔に植わっていたので一応根ごとむしって綺麗にした後で濡れティッシュに包んでおきました。(こいつは多少根が無くなったくらいじゃ死なないので)

最後に虫が着いていないかチェックします。
ここで問題発生。ミルメコディアの表面に空いた穴からアリさんが何匹も出入りしています。流石アリ植物。これも採りたて新鮮な証ですが、これは駆除しないとまずそうです。
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こんなんで大丈夫なのか^^;?



さて、出国の日。台北や高雄の空港は国際線の手荷物検査場の手前のフロアに検疫カウンターがあるので、トランクを預け入れした後で検疫に植物を持っていきます。
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誰もいない……。なんか電話してくれとか書いてある紙が置かれていたので、空港関係者にお願いして検疫官を呼んでもらいました。
検疫官は中国語しか話せない様でしたが、渡された申請書に必要事項(パスポート番号や行先)を書いて植物を見せるだけなので特に難しいことはないと思います。
植物名は種名まで書く必要があるらしく、ミルメコディアの方は検疫官が調べてtuberosaに決定。レカノプテリスは私が多分deparioidesだと思うと言うとそれに決定されました。
これで晴れて検査証明書をゲットです。所要時間は5分くらい?植物そのものは殆ど見られませんでした。


次に日本の検疫です。(ちなみに機内食は魯肉飯でした)
言葉が通じる分、何かに鋭い指摘がありそうで緊張しましたが台湾で貰った検査証明書を見せるとあっさりと合格。こちらも禁止植物に該当しないかどうか調べるための同定が主でした。
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こんなのを貼って貰えます。



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という事で無事輸入に成功したアリ植物は温室の奥に鎮座しています。
既に着いている実からいくつか種が採れたので播いてみました。発芽が楽しみです(*^^*)